浄明寺の家
私達のお店をオープンする場所に以前建っていた家の話を少しします。
今年のはじめ、自宅から鎌倉駅に向かう途中でその茶色い家と出会いました。金沢街道という朝比奈から鎌倉駅を結ぶ県道沿いに建っていて、ちょうどS字カーブの道の途中にあるところが気に入っています。道を挟んだ向かいには、朝比奈峠を源流として由比ヶ浜まで注ぐ滑川(なめりかわ)が流れています。周辺の寺社巡りの人々がのんびりと行き交い、鎌倉駅周辺とはまたことなるゆったりとした時間が流れる地域です。
この家に住んでいた方から、昔は目の前の川で友達と鮎や蟹を捕まえて遊んでいたことや、今もある近くの小学校に通い、東京の大学に通うようになってからもその家から通っていた思い出など伺い、取り壊してしまうことに躊躇いを感じながらも。
お店はこの場所に新築します。建築は、自宅のリノベーションでもお世話になった鎌倉在住の建築家、たなはしゆかさん。たなはしさんは、設計を進めていく時にひとつひとつ丁寧に空間が持つ雰囲気や声みたいなものを大切にされているところが好きで、今回も設計をお願いしました。
たなはしゆか建築設計アトリエ
https://www.tanahashi-atelier.com/index.html
さほど広さはない空間ですが、いらっしゃったお客様が気持ちよく抜けた空間で髪を整えてもらえたり、視覚的にも楽しんで頂けるように思考を凝らしています。
おって、このブログでもお店の建築についてもお伝えします。
少しですが、「長いことおつかれさまでした」という気持ちで取り壊す前にその茶色い家を撮影しました。
私達のお店も長いこと地域に根付くよう想いを込めて。
wocashi 高橋 加奈子