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かまくら散策 『 浄妙寺 』

梅の木に花がつき始め、少しずつ春の気配が感じられる季節になりましたね。

今回はwocashiの近所にある『浄妙寺』をご紹介します。

少しお寺の説明をすると、浄妙寺は文治4年(1188年)『極楽寺』という密教系の真言宗の寺院として創建され、後に臨済宗に改められ現在に至ります。鎌倉五山の第五位の寺格をもち、山号は稲荷山(とうかさん)と言います。(鎌倉五山とは、臨済宗の鎌倉の5つのお寺のことで、建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺のこと。)お寺の奥には鎌倉の地名の由来になったとされる鎌足稲荷神社がありますので、是非併せて訪れてみてください。

さてはじめに、お寺に着くと稲荷山と記された寺額(木製の看板)を見上げながら、門を抜けます。その先の両側には美しい杉苔の庭園が広がっていて必見です。

奥に進むと、綺麗な緑青色に染まった銅板葺の大きな屋根の本堂が見えてきます。本堂には本尊の釈迦如来像や、子宝と婦人病にご利益があるという淡島明神像がまつられています。

そして本堂の脇には『喜泉庵』という庵があり、枯山水を眺めながらお抹茶を頂くこともできます。お茶菓子は鎌倉の老舗和菓子屋の『美鈴』です。ときには、お抹茶と和菓子と枯山水でお休みいただくのも風情がありますね。

それからもうひとつ。このお寺の魅力は境内奥の坂上にあるカフェレストラン『石窯ガーデンテラス』。大きな洋風のお屋敷がカフェになっていて、スコットランド人のニコラス・レナハンによるガーデニングが見どころです。カフェではアフタヌーンティーも頂けて、古都鎌倉にいる事を忘れてしまいそうです。洋館は鎌倉らしくないと思われるかもしれませんが、実は洋館巡りができるほど鎌倉にはたくさんの古い洋館が点在します。明治時代に明治維新の神仏分離令でお寺は廃寺となり、その跡地を富裕層が別荘・別宅地として洋館を建てたそうです。

浄妙寺は、鎌倉の和洋の文化を体験できる貴重なお寺です。お近くに行かれる際には是非訪れてみて下さい。

wocashi 高橋加奈子